南方系の植物が咲くその傍らで
梅の花が咲いているある日
少し薄暗い館内に入り
窓から光の差し込む階段を登り
二階の通路を少し行ったところが
新しい生活の場
新い生活の場といっても、ボクのことではない。
もう10日ほど前のこと。
時給制の契約社員ではあるけれど息子が志摩マリンランドで働けることになって、当地の寮で新しい生活が始まった。
寮に入るのは3月下旬から4月上旬とタカをくくっていたので、2月24日から働くことになって大慌て。
もっとも、大慌てしたのはボクだけなのだけど。
なんといってもこの時期は超多忙なので、あまり仕事を休みたくないのが実情なのだけど、布団やら電化
製品やら持っていかなくてはならないし…。
着の身着のままで布団なしで3月中旬まで我慢せいともいえないので、仕事で休みをとれない長女を除いて
一家総出で息子の引越しの手伝いという按配。
とりあえず電化製品は掃除機だけを買って、相方は100円均一ショップで「よくもまあ、こんなに」というほど、
米びつやらプラスチックのケースやら食器やら買ってきたものを車に詰め込んで朝から志摩まで行ってきた。
こちらで、いろいろ調達してという案もあったのだけれど、車に積める程度にしてあとは現地調達。
一時は自分の跡目を継いでもらいたいという気持ちもあったけれど、継ぎたくもない跡目を継いでイヤイヤ
仕事して、毎晩のように赤提灯で愚痴っている人たちを今までにたくさん見てきたし、いやいや仕事しても、
おそらく成果は上がらないだろうし、それならば自分の好きな道に進むのがよかろうということに。
心の広い親を持って息子はさぞかし幸せなことだろう。 エヘン!
ただ水族館キーパーという仕事は特殊なので就職できるのかという不安はずっとつきまとっていた。
けれども、時給制の契約社員とはいえ働き口が見つかって、とりあえずはひと安心というところ。
この先どうなるのかはわからないが、まあ一生懸命やってれば道も開けてくるものと思いたい。
県内の進学校に受かった時は、大学に進むものと思ったいただけに、専門学校に行きたいと言ったときには
ちょっとビックリだったし、水族館キーパーの専門学校があるなんてことも知らなかった。
「お宅の息子さん、なにをしてはるんですか?」と聞かれて
「水族館キーパーです。」と言っても、おそらく説明しなきゃわかってもらえそうにない。
実際、「イルカの調教とかしてはるんですか?」と聞かれたことがあるし、そうかといって「海の男です」って
応えたら「漁師しはるんですか」といわれるし。
まあ、契約社員という立場は不安定ではあるけれど、職場の先輩達はいい人ばかりのようなので安心なのだ
けど、魚に夢中になりすぎて、どうも彼女がいないのが少しばかり心配な今日この頃なのであります。