大阪と奈良の県境、十三峠から大阪側に少し下ったところ。
ここに来ると何故か木枯し紋次郎を思い出す。
きっとドラマのワンシーンでここと似た場所があったのだろう。
木枯し紋次郎が放映されていたのは中学生の頃だったと思う。
空前の大ヒット番組となったのは、ヒーロー然とした渡世人がバッタバッタと悪人達をなぎ倒し、善良な人々を救うといったスタイルではなく、他人との関わりを極力避け、己の腕一本で生きようとする紋次郎のニヒルなスタイルと、主演の中村敦夫のクールな佇まいが見事にマッチしたからだろう。
「あっしには、関わり合いのないこってござんす。」という決まり文句(それでも最終的には関わり合ってしまうのだけど)と、飛び道具にもなる長いつまようじ。
それよりも印象に残っているのは殺陣でした。
そこいらの渡世人が名刀備前長船などを持っているわけもなく、通常時代劇に見られる「相手が斬りかかってきた時に、自分の刀で受ける」などの行為は自分の刀が折れてしまうので行わないし、刃こぼれや脂などで何人も一度に斬れないだろうから、ひたすら剣先で突き刺すという形のチャンバラだった。
上段に刀を構えることもなく、走りながら突きを多用するスタイルは理に適っているなと思いながら見ていたのを思い出す。
ちなみに、この人も長い爪楊枝(?)をくわえていますが、紋次郎ではありません。