シャーロック・ホームズ みたび

RRRRRRR…
電話のベルが鳴った。
「何だよこんな朝っぱらに」
睡眠不足に加えてこのところの寒さで布団から出たくなかったが、
ベルはいつまでも鳴りやまないので根負けして電話に出た。
「もひもひ」自分ではもしもしと言っているつもりであるが寝起きなので上手く喋れない。
「やっと出たか。ホームズだが。」

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電話の主はシャーロック・ホームズであった。
「ああ、ホームズ先生。どうしたんですかこんな早朝に。」
「詳しいことは後で話す。とりあえず至急に私の家に来てくれ給え。」
「また、何かの手伝いですか?手伝いなら相棒のワトソン医師がいらっしゃるじゃありませんか。」
「ワトソン君はこのところインフルエンザの予防接種にかりだされて忙しいのじゃ。」
「私だって師走ともなれば忙しいですよ。」
「半日でいい。猫の手も借りたいっていうじゃないか。」
「私は猫ですか。」
「すまん。枯れ木も山の賑わいというではないか。」
「私は枯れ木ですかっ!」
「失敬。つい本音が…」
「何ですって?」
「いや、君の才能を見込んで頼んでいるのだよ。」
「そんなこと言われ…」
「では至急来てくれ給え。頼んだぞ。」
ガチャ。
電話は切れた。
長身でスポーツ万能、武術にも長けており、冷静で頭脳明晰のホームズ先生ではあるが、言い出したら引かないところがある。
電話のおかげで眠気もとんでしまったので、乗り気はしないがホームズ先生宅へと出かけた。

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日頃の運動不足で息も絶え絶えになりながらホームズ先生宅に着いたが
ベルを鳴らしても誰も出てこない。
ひょっとして鍵がかかってないのではないかと思ったが、案の定であった。
冷静で頭脳明晰な先生ではあるが、こんな不用心な事で探偵が務まるのかしら?
まあいいや。
誰も出てこないので勝手に家に入ることにした。

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部屋に入るとテーブルの上に食器が並べられてあった。
ははーん、そうか。
一人で食事するのが寂しいもんだからワトソン医師を誘ったけど断られたので
それで私に電話してきたんだな。
それなら、そうと言ってくれりゃ、美味しい清酒の一本も下げてきたのに…

「あら、坊や。お久しぶりね。2年ぶりかしら?」

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隣の部屋から声がしたので覗いてみると、私のことを坊やと呼ぶ女性が以前に来た時と同じポーズで立っていた。
「3年ぶりかも知れませんね。それより、ホームズ先生に呼び出されて来たんですが、何があったんですか?」
「ああ、クリスマスを前にしてサンタクロースさんの行方が分からなくなったので捜索しに行ったみたいよ。」
「どこに行かれたんですか?」
「たぶん二軒隣のベンさんのお家だと思うけど。」
「そうですか、有難うございます。」
「それより坊や、私と遊ばない?」
「遊びたいのは山々ですが、そうもしていられないのでまた今度。」
「前にも同じこと言ったじゃない。」
「そうでしたかねえ?でも急いでるので今日は勘弁して下さい。」
とりあえずホームズ先生を見つけなきゃならないのでベン氏の家にと急いだ。

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「あ、先生ここにいらっしゃいましたか。」
「おお、やっと来たか。すぐ現場の写真を一枚撮っておいてくれ給え。」
「へ? これを撮るんですか?」
何だかわからないけど、シャッターを切った。
ずっと走りづめだったので足はガクガク、息も絶え絶え。
気分は「超高速・参勤交代」

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「何だこれは。ブレブレじゃないか。」
「だって、ずっと走ってきたので息が上がってしまってるから仕方ないじゃないですか。」
「まあよい。これを見てみたまえ。」
「これが何か?」
「サンタ氏が倒れておる。」
「人形じゃないんですか? 定番の赤い服でもないし。」
「サンタ氏だって年がら年中同じ服を着ている訳ではないぞ。」
「先生、よくみて下さいよ。」
「おお、よく見れば人形だぞ。一目見てこれが人形だと君はよくわかったな。」
「だって、身長が10㎝ほどしかないじゃないですか。」

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「ところで、サンタ氏のお国は北欧でしょう。どうして英国を探しているのですか。」
「そのことだが、実は忙しくなる前に英国に休養に来られた折に見たラグビー・ワールドカップの
ジャパンVSサウス・アフリカの試合に、いたく感動されて、
ラグビー発祥の地、英国でラグビーのことをもっと知りたいと滞在期間を伸ばしておられたのだ。」
「じゃあ、一応のラグビーの知識は得たからお国に帰られたのかも?」
「いや、まだ英国にいるという情報を得ている。」

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「あれっ、それなら先生のところに来る途中見かけたのがサンタ氏だったような気がしますが。」
「何っ!サンタ氏を見かけたのかね。」
「たぶん、間違いないと思いますが。」
「そうか、すぐその場所に向かうぞ。」
「先生、ちょっと待ってくださいよ。場所もわかってないのに先生が先に走ってどうするんですか。」
「ああそうであった。早く誘導してくれ給え。」
「その前に喉もカラカラなんで、何か飲ましてください。」
「あとで王室御用達のロイヤル・ティーでもひじきでも何でも好きなものを飲ませてやる。」
「何でロイヤル・ティーでもひじきでもなんですか。比較がおかしいじゃありませんか。」
「何故おかしいのだ?」
「だって紅茶は飲み物ですが、ひじきは食べ物ですよ。」
「本当か。ひじきというのは日本式紅茶ではないのか。」
「違いますってば。」
「でも、似ているぞ。」
「似ているけど、ひじきをティーバックに詰めてお湯を注いで飲んでる人を先生は見たことありますか?」
「そういえば、ないなあ。」

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「先生、あそこです。」
「おお、サンタ氏はあんなところにおられたか。」
「ラグビー熱は冷めていないようですね。」
「この時期にここにいるようでは、今年の子供たちのプレゼントはラグビーボールばかりかも知れんぞ。」

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「今回は君のお蔭で助かったよ。お礼にこれをプレゼントしよう。」
「おお、これはマイセンではありませんか。有難うございます。」
「待った、やっぱりプレゼントするのはやめることにする。」
「ええっ、くれるって言ったじゃないですか。」
「考えてみれば、午後のひと時を器を愛でながら紅茶を嗜む柄じゃないからな君は。」
「私だって紅茶は飲みますよ。」
「いいや、君のことだ。マイセンのカップに泡盛や焼酎を並々と注ぐかチンチロリンの道具にするに決まってる。
そして酔った挙句にカップを割ってしまう可能性大だからね。なので、あげない。」
「そんなぁ」


※すみません。お酒が入っておりまして、少々酩酊しながら書いてます。
妄想癖爆発です。
誤字脱字や辻褄があわないことがあっても、どうか読み流して下さいますよう、お願い申し上げます。

                                            合掌




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by echoes06 | 2015-12-09 01:24 | 兵庫県

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